バンカ。フィリピンでおなじみのアウトリガー付の木造船です。パンボートとも呼ばれて、一人乗りの手漕ぎボートから、島々をつなぐ旅客、貨物用の大型ボート、漁業用など何処でも見られる船です。
これは、二人乗りの手漕ぎボートです。制作過程も終盤です。
船の両側に取り付ける竹製のフロートの腕木も竹を使用しています。
骨組みは、フィリピンで使用頻度の高い椰子材、ココランバを使用しています。
2001年の制作ですが、6400ペソで完成しました。
いずれ、大きい船を計画していたので、大工の性格、技量、を見るのが主たる目的でしたが、幸運なことに良い大工に当たり、現在でも立て網で朝のおかず取りに役立ってます。

3号艇***2002.11から操業を開始しました。これは桜えび専用の船です。
日本でおなじみの有る”桜えび”
ココ西部ビサヤ地方では、毎年11月から5月にかけて漁期を迎えます。
桜えび漁は、深夜真っ暗闇のなかでおこないます。
イカ漁とは異なり、明かりは厳禁。時折点けるフラッシュライトが頼りです。
この船は本体だけで全長20M、網を入れると30Mにもなる大型船です。

ボートの制作費用
桜えび3号艇
(材料費)
起動部エンジン (中古いすゞエンジン) 92000ペソ
シャフトおよびエンジン架台 9600ペソ
木材 52000ペソ
釘、ワイヤー、固定金物 8500ペソ
塗料 16000ペソ
道具代、チェーンソー、グラインダー、電のこ・・・・・ 20000ペソ
雑費 5000ペソ
(人件費)
材料切り出し、製材、運搬  150ペソ x 40人 6000ペソ
大工 200ペソ x 160人 32000ペソ
塗装 150ペソ x 30人 4500ペソ
溶接工(機械共) 800ペソ x 12人 9600ペソ
(登録料、その他)
設計図 7000ペソ
登録料、税金・・・・・ 10000ペソ
雑費 50000ペソ
合計 322200ペソ
そんな見積もりがあがってきました。
エンジンは70000ペソの物も有ったんだけど、値切り倒して85000ペソで購入。
人件費を節約するように指示、30万ペソであがればいいかと思い、着工しました。

設計図

登録料、税金・・・・・

木材の買い付け、製材
切り出したブラックベリーの木。近くの民家から買い求めました。根本から2本に別れていた内の、一本をわけてもらいました。左に曲がった大枝が、船首部分になります。2000ペソなり。
分取りの為の墨付け
切り出し。チェーンソー1丁で切り出していきます。特殊技術のため機械、助手1名つけて1日2000ペソ。他のワーカーは1日120〜180ペソです。
船首用の骨木 上部、下部をカットすれば出来上がり。
製材が終わりました。船首、船尾、アウトリガーのフロート取り付け部の骨木です。
別の山で、直径1.2M樹高25Mの大木を入手。これで、底板、腕木、マストどの主要部材を賄います。
この位の大木になると、いくら持ち主の了解が有っても、勝手に伐る事が出来ません。
地方政府とバランガイに届け出て、わずかながら税を支払います。
これ1本で、全部材が取れました。製材込みで、4万ペソ。ただし運び出しに1人100ペソx18人。昼食代として、1人35ペソかかりました。山から、作業所までのジプニーのレンタル料650ペソ。

制作過程
 製材された部材  まずは、テントをかけて  底板の制作
  
     4 底板完成     側面の骨組み       舳先の骨組み
 底板と骨組みを絞っています  骨組み完成  船体完成
からにかけて側板(合板)張、シーリング、アウトリガーの取り付け行程が有ったが、帰国していた為撮影が出来ませんでした。
この後、エンジンの架装が始まります。その後、マストを建てます。
船の完成後、漁の大漁と安全を神父さんにお祈りして頂きました。



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